今、問題になっているのはそばが締まり続けることです。
今日、試してみたことがあります。
蕎麦打ちは美山からしました。
あらかじめ粉の75%の水を量っておいて、なるべく早く全部の水を入れてしまうつもりでしたが15分かかりました。
柔らか目です。
それを蓋付きの容器に入れ、次の開田高原の水回しを始めました。
同じ様に15分で75%の水を入れました。
同じく柔らか目です。
同じ様に容器に入れて、先の美山を容器から出しました。
そばに触れた途端、固い。
75%入れたのに固いのです。
調整の為、4%弱の水を足しました。
締まりのピークはすぎた様で、なかなか締まってくれません。
少し柔らかかったです。
入れた水は79%弱。でも出来上がったそばから粉の重さを引いてみると、水の量は72%でした。
「加水率についてのお詫び」で触れましたが、この違いはどうも水の蒸発の様でした。
それはさておき、重要なのは足した水の量ではなく、そばの中の水分含有率なのです。
ここでもう少し大きな目的。
それは今やっている18目、14目の独特な風味を知って頂くと言う事です。
その為には、そばの味、風味、食感、見た目。
その味、風味の為に水分含有率が重要になってくるのです。
蕎麦を美味しく食べるには、その味、風味が薄くならない様にしなければいけません。
せっかく良い材料、良い製粉、蕎麦打ちをしても、最高の茹で時間でなくてはいけません。
どういうことか、必要以上に長く茹でれば旨味はお湯に移ります。
火が通れば即刻揚げなければなりません。
こんな重要な事はあまり話題になりませんが、考えれば当たり前な事です。
話を水分含有率に戻しますが、蕎麦を火が通ったら直ぐ揚げる(当店は10秒位)には、その時の水分含有率の話になってきます。
茹で麺の水分含有率は凡そ70%位と言われています。
乾麺ならその水分含有率まで茹でらなければなりません。
普通の二八蕎麦(加水率50%弱)、十割蕎麦(加水率52%位)、30目位の粗挽き蕎麦(加水率60%位)などは、その70%位まで茹でる事になります。
(私は以前40目の十割蕎麦を打っていましたが、茹で時間は10秒でした。細切りにする事で調整できます。)
そこで既に麺が70%の水分含有率があれば、麺が多少太くても茹で時間は10秒でも良いかもしれません。
話が長くなりましたので結論。
明日から加水する量でなく、そばの水分含有率を71~73%程度(その後多少の蒸発を考えて)にして、少し太目に切る。
もちもち感があり、もう少し長い蕎麦を目指してやってみます。