でも、これが正解かもしれません。
明確な目標を失って、気持ちを何処に落ち着かせるかが問題でしたが、先ずは自分の気持ちと現状を知らなければと思って、随分前に買った本を見直しました。
1冊目は「そば学大全」(俣野敏子著)、もう一つが雑誌「自遊人 在来種の蕎麦」(2010年9月)ですが、随分前の本で現状とはかけ離れているかもしれませんが、この手の事は引きずりますから今でも貴重な情報かと思います。
要点を言いますと、今の販売されている玄そばの状態です。
品種改良されたものか在来種かです。
品種改良されるものはは安定的に多収量な品種が求められます。
ここが最大の問題点になります。
品種改良する人は農家さんの収益の為です。
美味しい蕎麦が農家さんの収益と考えるには、もう少し時間が必要です。
味、風味より、病害虫に強く、倒れにくく、収穫量の多い品種が求められます。
分かりやすく言えば(私の考えです。)信濃一号です。
長野県にはその土地の在来種がありました。
でも、安定的に収益になる信濃一号が長野県全体に栽培されています。
その土地の個性がなくなりました。
あの「霧下そば」の信濃町でも在来種が消えました。
少し前に奈川の在来種が話に出ましたが、現在ネットで見ると、「信濃一号」か「キタワセ」です。
もしくは、奈川在来を北海道で栽培して、それを奈川在来で売っているのが現状です。
今となっては、奈川で在来種を栽培しても、周りに信濃一号があれば交雑して、奈川在来ではなくなります。
しょうがないのです。時代なのです。
消費者が求めていないのです。
奈川だけの事ではない、全国の事です。
在来種を大切にしていても、品種改良に熱心な人が近くにいれば、交雑して在来種は在来種でなくなります。
在来種をもっている全国の地方で、過去何十年も一度もそう言った事がないと言えば良いのですが、一度交雑すれば、二度と元には戻れません。
純粋な在来種は消えます。
もう一つの事。
例えば、私が好きな永平寺在来です。
ネットで見まして定かではありませんが、令和3年の永平寺在来の収穫量が18トンとありました。
蕎麦屋さん一軒が1年に1トンの仕入れをすれば、18軒で終わりです。
2トンなら9軒です。
そんななか、他県の商いもしていない者にどれだけの玄そばを売る事が出来るかと言えば(私の事です。)難しくなります。
若い時なら無理やりでもと思いますが、道理で言えば地元が優先されるべき事なのです。
それで、私のスタンスはと言えば、無理はしないで余裕があったら送って下さい、位です。
でも、私は美味い蕎麦を打ちたい。
直ぐに結論は出ません。