染地台 藪蕎麦の日記

今月の予約状況を記載。そばの自家製粉でいろいろなそば粉を作ります

ホントは深い、蕎麦湯の事。

御承知の通り、蕎麦湯は蕎麦を食べた後のつけ汁に蕎麦を茹でた湯で割り、お出しの風味を楽しむものですが、蕎麦湯のお出しにこだわるお客様は非常に少ないです。

当店は薄い蕎麦湯と濃い蕎麦湯をお出ししていますが、先にお話しするのは一般的な薄い蕎麦湯からです。

私も若い頃はいろいろな蕎麦屋に行ったものですが、どうしてもつけ汁に味醂とか砂糖が入っています。

それもかなり甘いお店が多く感じました。

もちろん、それはそのお店の店主が決めた事なので私がそれについて言うのはナンセンスです。

先程書きましたが蕎麦湯はお出しを楽しむものです。

お吸い物の様なものです。

お出しと軽い塩あじだけで、他のものは要りません。

さらっとした洗練されたものがいいですね。

当店は鰹節、昆布、醤油だけで作ります。

仕事をしている立場からですと、鰹節が5~6年前から品質が落ちたものが多くなりました。

お話しを聞きますと、コストダウンの為か工程を省いているようです。

使っている鰹節は荒本節です。

割ればカチカチの鼈甲色です。

昔は当たり前のように簡単に手に入りましたが、今では見つけるに一苦労です。

鰹節についてもう一点。

今ではほとんどが削り節を使っています。

その日の朝に削って配達してくれればいいのですがなかなかそうはいきません。

削り節と出汁を取る時削るのでは出汁の深みが違います。

昆布も低温でゆっくりとります。

割る蕎麦湯の量によって鰹節の風味を感じたり、昆布の風味を感じたりします。

お客様が個別な事で違いは解らないと思いますが、なんとなく違うと感じて頂けたら嬉しく思います。

時々、お出しのご質問を頂くこともありますので仕事の励みにもなります。

もう1つの蕎麦湯は打っているそば粉を溶いて使っています。

粉の種類はその日によって違います。

粉が粗いので下に蕎麦掻きの柔らかい様なものがある時があります。

お蕎麦なので是非召し上がってみて下さい。

お好きな方には喜んで頂いています。